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愛しい記憶
第6章 水
誰だろうか。
マミとの時間を阻まれて腹立たしさすら感じながら、時計を見た。
もうすでに昼になろうとしている。
立ち上がった俺は、ベッドの傍にある脱ぎ捨てられたズボンを手にしてゆっくりとそれを履くが、その間に再び呼び鈴がなって、動きを早めた。
「はい」
少し大きめの声を出して返事をすると、マミがもぞもぞと動いた。
起こしてしまった。
申し訳なくなって、一糸まとわぬ姿でぼんやりしているマミを見つめる。
本当に幽霊なのだろうか…
白く透けそうである事以外、普通の人と変わらないその姿にそんな疑問が湧く。