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穢れた白百合
第2章 第一話
義理の兄が今更私に何の用があると言うのか。
突然の連絡を見なかったことにしようとも考えたが、あの男のすることだ。
私のそういう行動を見越して、
なにか不利益を被るように仕組んでいるのかもしれない。
義父の連れ子である兄とは不仲そのものだったが、私の立場は明らかに不利だ。
再婚後母は義父にすっかり入れ込んで
新しい家庭で私は完全に疎ましがられていた。
それが寮制の女子校に入り、詩織と出会うきっかけとなったのだから、
今となってはもうどうだっていいことではあるのだけれど。
やはり表向きは優等生でありながら裏では誰のことだって蔑むような
あの男への評価に、肯定的なものはなかった。
突然の連絡を見なかったことにしようとも考えたが、あの男のすることだ。
私のそういう行動を見越して、
なにか不利益を被るように仕組んでいるのかもしれない。
義父の連れ子である兄とは不仲そのものだったが、私の立場は明らかに不利だ。
再婚後母は義父にすっかり入れ込んで
新しい家庭で私は完全に疎ましがられていた。
それが寮制の女子校に入り、詩織と出会うきっかけとなったのだから、
今となってはもうどうだっていいことではあるのだけれど。
やはり表向きは優等生でありながら裏では誰のことだって蔑むような
あの男への評価に、肯定的なものはなかった。