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穢れた白百合
第2章 第一話
呼び出されたのは家から離れた郊外のカフェ。
昼間の割に空いている薄暗い店内にその姿を探しても見つからない。
呼び出しておいて遅刻かと内心悪態をつきながら、
とりあえずコーヒーでも頼もうとした時、背後から男の声がした。
「東堂綾さんですか?」
「はい...?」
糊のきいたシャツを着た角ばった輪郭の見覚えのない男が、
紛れもない自分を呼んだ状況を理解しかねて、明らかに怪訝な声を出してしまう。
男はそれも見越していたかのように私の不信感をあしらった。
「突然失礼しました。あなたのお兄さん、東堂玲人の友人、西崎澪と言います」
「あの、兄は...?」
私がそう聞くと、男、西崎はさっきまでの女性受けしそうな微笑を歪ませた。
「玲人は来ませんよ...あなたは売られたのだから」
昼間の割に空いている薄暗い店内にその姿を探しても見つからない。
呼び出しておいて遅刻かと内心悪態をつきながら、
とりあえずコーヒーでも頼もうとした時、背後から男の声がした。
「東堂綾さんですか?」
「はい...?」
糊のきいたシャツを着た角ばった輪郭の見覚えのない男が、
紛れもない自分を呼んだ状況を理解しかねて、明らかに怪訝な声を出してしまう。
男はそれも見越していたかのように私の不信感をあしらった。
「突然失礼しました。あなたのお兄さん、東堂玲人の友人、西崎澪と言います」
「あの、兄は...?」
私がそう聞くと、男、西崎はさっきまでの女性受けしそうな微笑を歪ませた。
「玲人は来ませんよ...あなたは売られたのだから」