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穢れた白百合
第2章 第一話
「売られた...?」

「わかるでしょう?彼は私にあなたの体を好きにする権利を売ったんですよ」

「...ふざけないでください。なにかしたら叫びますよ」



あまりにも唐突なことにどうしたら良いかわからなくて、

震えそうになる声を平静に保ちながら、西崎を睨めつける。




「残念ながら、ここは『そういう店』なんですよ。

もっとも逃げるのはあなたの自由ですが...玲人はあなた方の家の合鍵を持っています

...私としては詩織さんの方でも構いませんからね」




その名前を聞いて、私は瞬間的に感じた驚愕と怒りを隠すことを忘れてしまった。



ああ、この感じは前にも体感したことがある。


もはや逃げ場などない...いかにもあの玲人らしいやり口だ。


人の弱みにつけこんで...



「汚い…」

「わかったらついて来てください。二階に個室があるので」



それが何を意味しているのか、嫌なくらいわかる。


だけど同じことが詩織に起きるより、はるかにマシだと思った。


私は手の平に爪が刺さるほど握りしめながら、男について店の奥に向かった。



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