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緑に睡る 〜運命の森〜
第1章 告白
「…また、お前がここに戻って来てくれた…」
寝台の中、紳一郎は十市の褐色の胸に頬を寄せ、呟いた。
十市が森番として再び雇用されるようになり、紳一郎は早速軽井沢の十市の山小屋を訪ねていた。
「…夢みたいだ…」
広い寝台は十市が去った後に紳一郎が買い入れたものだが、あの頃よりすらりと背が伸びた紳一郎と大柄な十市の二人が愛し合うのには充分の広さであった。

夜遅くに小屋の扉を叩いた紳一郎を、十市は無言で引き入れると、激しくその唇を貪った。
「…んんっ…じゅ…いち…」
「…坊ちゃん…会いたかった…」
濃厚なくちづけの合間に、寡黙な男が口にする言葉が嬉しい。
獰猛な獣のような荒々しいくちづけに翻弄され、紳一郎は息を弾ませる。
十市はその肉厚な熱い舌を執拗に紳一郎のそれに絡め、千切れそうになるまで吸う。
くちづけしながら、紳一郎の仕立ての良いジャケットを脱がせる。
十市の褐色の節くれ立った指が紳一郎の胸を弄り、シャツの釦を不器用に外し始める。
紳一郎は十市の生成りのシャツを脱がす。
鋼のように逞しく引き締まった褐色の肌が現れ、切なげに息を吐く。
その美しい筋肉に唇を寄せる。
「…十市の匂いだ…。煙草と革と…それから南国の果実のような匂い…」
…お前の故郷のスペインのオレンジかな…。
そっと微笑った紳一郎の陶器のように滑らかな頬を愛しさと欲情を込めて撫で回す。
「…坊ちゃん…。悪い…。俺はまたあんたが欲しくて我慢ができない…」
…愛し合うのは、カフェ浪漫で愛し合って以来だ。
父親が正式に十市を雇い入れてくれるまで待った。
紳一郎も十市が欲しくて仕方なかった。

潤んだ瞳で男を見上げる。
「…僕もだ。…ずっと…お前に会いたかった…軽井沢に来れる日を待ち焦がれていた…」
男の深い色の瞳が熱く滾るように紳一郎を見つめながら髪を撫でられる。
「…坊ちゃん…!」
強く抱きすくめられ、そのまま寝台に引き摺られ押し倒される。
男の逞しい重みが身体にのしかかる。
裸の肌と肌が触れ合う。

…父、公彦は十市を森番として再雇用したが、二人の仲は認めてはいない。
紳一郎を哀しませたくはないので反対はしないが、賛成をする気はないようだ。

だから二人の関係は秘密なのだ。
…誰にも知られぬように隠れて、ひっそりと愛し合わなくてはならない。
許されぬ恋…禁じられた恋なのだ。













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