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緑に睡る 〜運命の森〜
第1章 告白

…だが…と驚くほど冷静な声が響いた。
「恋愛は周りがお膳立てして成立するものではない。
…紳一郎くんは恐らく真剣にその森番を愛し抜こうと決意しているのだろう。若者の恋の炎を吹き消すことは容易ではない。
寧ろ不可能に近いだろう。
…それに…私が紳一郎くんに恋するとは限らないとは思わないのか?私は同性愛者だが、誰でも良いわけではない。私にも好みがあるのでね。
…因みに青臭い子どもは好きではない。貌だけが取り柄の薄っぺらい若者も御免だ」
青山のやや突き放すような言い方に公彦ははっと眼を見張る。
己れの言葉の傲慢さに初めて気づいたのだ。
「…確かに傲慢だったな。…すまない…君の気に障ったのなら謝る」
公彦の実直な詫びに、和ませるように声をかける。
「君の胸の内はよく分かった。紳一郎くんの恋の行く末にも個人的に興味はある。
…とりあえず、君の屋敷に滞在させて貰うことにするよ。私が紳一郎くんにアプローチするかどうかは彼に会ってから決める。もちろん私は無理強いするつもりはない。
美しい花を無下に手折るのは私のポリシーに反するのでね。
彼が私を気に入ってくれたら…の話だ」
公彦がほっと胸を撫で下ろした。
そして律儀に頭を下げた。
「ありがとう。青山。こんな無理な願いを聞いてくれて…。恩に着るよ」
青山はその色めいた眼差しで微笑んだ。
「…君も苦労するな…」
「恋愛は周りがお膳立てして成立するものではない。
…紳一郎くんは恐らく真剣にその森番を愛し抜こうと決意しているのだろう。若者の恋の炎を吹き消すことは容易ではない。
寧ろ不可能に近いだろう。
…それに…私が紳一郎くんに恋するとは限らないとは思わないのか?私は同性愛者だが、誰でも良いわけではない。私にも好みがあるのでね。
…因みに青臭い子どもは好きではない。貌だけが取り柄の薄っぺらい若者も御免だ」
青山のやや突き放すような言い方に公彦ははっと眼を見張る。
己れの言葉の傲慢さに初めて気づいたのだ。
「…確かに傲慢だったな。…すまない…君の気に障ったのなら謝る」
公彦の実直な詫びに、和ませるように声をかける。
「君の胸の内はよく分かった。紳一郎くんの恋の行く末にも個人的に興味はある。
…とりあえず、君の屋敷に滞在させて貰うことにするよ。私が紳一郎くんにアプローチするかどうかは彼に会ってから決める。もちろん私は無理強いするつもりはない。
美しい花を無下に手折るのは私のポリシーに反するのでね。
彼が私を気に入ってくれたら…の話だ」
公彦がほっと胸を撫で下ろした。
そして律儀に頭を下げた。
「ありがとう。青山。こんな無理な願いを聞いてくれて…。恩に着るよ」
青山はその色めいた眼差しで微笑んだ。
「…君も苦労するな…」

