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緑に睡る 〜運命の森〜
第1章 告白
「初めまして、紳一郎くん。青山史郎です。どうぞよろしく」

その男はまるで西洋人のような堂々たる体躯をして欧州製の高価な品と思しきスーツを身に付け、大きな手を差し出した。
強く握りしめられた手は手入れが行き届いていて滑らかだった。
爪も綺麗に磨かれている。
175センチある紳一郎が見上げるほど長身で逞しく雄々しい容姿の男だ。
十市は190センチ近くある長身だが、その彼に比べても遜色ないほどの体躯の男などそうはいない。
しかもその容貌は全てが精悍に端正に整い、全く隙のない美貌であった。
英国貴族のように端正で、それでいて僅かに淫蕩な薫りがする大人の色香に満ちた容姿は、今まで見たことがないタイプの男だった。

紳一郎は驚きと共に、どこか畏怖めいた感情を青山史郎に抱いた。
そんなことは初めての経験だった。

「初めまして。鷹司紳一郎です。お目にかかれて光栄です」
紳一郎は差し出された手を軽く握りしめた。
見上げる瞳を青山は、ほう…と感嘆めいた溜息を漏らし、その色気に満ちた眼で笑った。
「これは…噂に違わぬ美青年だ。…いや、想像以上だ。
君の息子はアドニスさえ頬を赤らめて逃げ出すほどの美貌の持ち主だな。鷹司」
傍らに立つ公彦を振り返る。
「そうだろう。私の自慢の息子だ。こんなに美しい青年はそうはいない」
公彦が優しく紳一郎に微笑みかける。
「やめて下さい。父様まで…」
恥ずかしがる紳一郎に公彦は青山の紹介する。
「青山は帝大時代の親友だ。英国のパブリックスクールを卒業後帰国して帝大に入学し、卒業したのちはパリに渡りパリ大学大学院で美学を修めた。今はパリでも指折りのアンティークショップや画廊を経営している優れたビジネスマンだ」
「おいおい、あんまりハードルを上げてくれるなよ。…紳一郎くん、私は父君と違ってエピキュリアンだ。…君に悪い影響を与えないよう気をつけるよ」
戯けて笑い、目配せをする様は茶目っ気があり、紳一郎は思わず笑いを漏らした。

青山は眼を見張る。
「…紳一郎くんは笑うと可愛らしいね。…氷の美貌が溶けて実に愛らしくなる」
紳一郎はどきりとして頬を赤らめた。
「…そんな…」

執事が静かに入室し、告げる。
「紳一郎様、十市が到着しました」
紳一郎の瞳が一瞬にして輝いた。
「今行く。…すみません、少し失礼します」
紳一郎はあっという間に部屋を後にした。






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