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緑に睡る 〜運命の森〜
第2章 第二の男
「…もっと…もっとして…」
紳一郎は十市に馬乗りになり、くちづけをせがんだ。
自身の下肢は一糸纏わぬ姿だ。
しどけなく着崩したシャツだけがかろうじて紳一郎の残った理性を表しているかのような…そんな淫らな姿だった。

唇を必死に求めながら男のシャツを脱がす。
褐色の鍛え上げられた逞しい身体が露わになる。
「…ああ…十市…」
その厚い胸板に貌を埋める。
…男の安煙草の匂いと馬具の匂いと…そして異国の果実の匂いに胸が高鳴る。

「…坊ちゃん…」
紳一郎の積極さに訝しむことはせずに、十市は横たわったまま紳一郎を見上げる。
「…自分で、挿れられるか…?」
「…え…?」
「挿れてみろ…」
十市は節くれ立った手で、己れの怒張した長大な牡を扱いた。
ランプの灯りに揺らめく男の牡はまるで美しくも淫らな凶器のような象をしている。
先端からは先走りの牡液が滴り落ち、淫蕩に煌めいていた。
「…ああ…すごい…」
紳一郎の白くほっそりとした手が男の牡を愛しげに撫で上げる。
潤んだ眼差しで切なげに十市を見つめる。
「…挿らない…こんな…おおきいの…」
十市は彫りの深い瞳に優しい微笑みを浮かべ、励ますように紳一郎の腰を抱く。
「…大丈夫だ。…俺が手伝うから…」
恐る恐る十市の頑強な腰の上に跨り、そそり立つ牡を自身の後孔に当てがう。
「…もっと脚を開いて…力を抜いて…そうだ。…上手だ…」
「…んんっ…!…むり…おおき…すぎ…ああっ…!」
下肢がばらばらになるような激しい衝撃と痛みが走る。
縋るように十市の分厚い手を握り締める。
十市の温かさが身体に染み込む。
「…息を吐いて…力を抜いて…そうだ…」
十市の手が紳一郎の髪や頬を優しく撫でる。
「…坊ちゃん…愛している…あんたはなんて綺麗なんだ…」
普段無口な十市が愛の言葉を惜しみなく与えてくれるのが嬉しくて、下肢の痛みが徐々に薄れる。
「…十市…僕も…愛してる…お前だけだ…」
艶やかな白い頬に透明な涙が伝い落ちた。

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