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緑に睡る 〜運命の森〜
第1章 告白

公彦は土下座している十市の腕を掴み、立ち上がらせると、胸ぐらを掴み怒鳴る。
「…お前は…紳一郎を地獄に突き落とすつもりか⁈…そんな…鬼畜にも劣ることをして…まだ側にいたいなど、ぬけぬけと!」
自分の中にまだマグマのように滾る激しい怒りが、溢れ出てくることに驚く。
「…旦那様…」
何かを言いかけた十市の口を塞ぐように再び、殴りつける。
地面に倒れた十市に吐き捨てるように叫ぶ。
「今すぐにここを出て行け。…警察には訴えない。紳一郎の将来に傷がつくからな。…お前に、少しでも紳一郎を思う気持ちがあるなら、今すぐここを出て行くのだ。
そして二度と紳一郎の前に現れるな。…それがお前に出来る唯一の紳一郎への償いだ…!」
暫く十市はじっと公彦を見つめ返していたがやがてゆっくりと立ち上がり、深々と頭を下げると黙って森の中へと姿を消した。
…そして、それが公彦が見た最後の十市の姿だったのだ。
「…お前は…紳一郎を地獄に突き落とすつもりか⁈…そんな…鬼畜にも劣ることをして…まだ側にいたいなど、ぬけぬけと!」
自分の中にまだマグマのように滾る激しい怒りが、溢れ出てくることに驚く。
「…旦那様…」
何かを言いかけた十市の口を塞ぐように再び、殴りつける。
地面に倒れた十市に吐き捨てるように叫ぶ。
「今すぐにここを出て行け。…警察には訴えない。紳一郎の将来に傷がつくからな。…お前に、少しでも紳一郎を思う気持ちがあるなら、今すぐここを出て行くのだ。
そして二度と紳一郎の前に現れるな。…それがお前に出来る唯一の紳一郎への償いだ…!」
暫く十市はじっと公彦を見つめ返していたがやがてゆっくりと立ち上がり、深々と頭を下げると黙って森の中へと姿を消した。
…そして、それが公彦が見た最後の十市の姿だったのだ。

