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第2章 集結

「はい、じゃあ女の子ね」

「あ、はい……。金城七瀬（きんじょう　ななせ）、19歳、沖縄出身です。特技はダンスです。きょうだいが多い家族の長女で、家に居場所がない感じで育ちましたね……。あの、地元で彼氏2人いて、バイト先の先輩と、そのあと同級生と……その2人としか経験ないんだけど、2人とも東京行って彼女作っちゃって……、私も東京で夢を叶えたいなって思ってオーディション受けました……！ステージでいっぱい踊りたいです、大きな舞台に立ちたいです。よろしくお願いします……！」
照れながらも、さっきまでよりは元気を取り戻した様子のナナが無事言い終える。

「……坂下雪乃（さかした　ゆきの）です。18歳、東京出身です。特技は……歌。クラシックで声楽やってました。あの……、母が……、ソプラノ歌手で、今は海外で活動してるんですが、実はその……私、音大落ちちゃって、母がいない間に内緒でこのオーディション受けました……。母、毒親で、スパルタで……、音大また落ちたら何言われるかわからないの……！でも私はアイドルが好きなの、クラシックよりアイドルが好きで……帰る場所、ないんです！予備校の講師と関係持ったら奥さんいる人だったんですよ……！もう何もかもダメダメで、でもずっと私を救ってくれてたのは大好きなアイドルグループでした。……私も誰かのそういう存在になれたら、って思ってます」
涙ぐみ、真っ赤な顔をしながら、ユキが語った。

「みんなのこと知ったら合宿がんばろってすごく思えてきちゃった！……熊谷凜々子です、東京目黒区出身の20歳。うーんと、うちは結構いわゆるセレブ家庭でね、両親と兄と姉がいて、お嬢様っていうかなぁ……。一応ピアノとバレエをやってきてて。ユキちゃんのことちょっとわかるんだけど、ちょっと家族に反発して来たっていうか異端児っていうかね……。家が嫌で中学時代から年上と付き合ったりしてて、今まで5人カレシいたからエッチはそれなりに。そういうのも家族には良く思われなくってね。でも私は漫画やアニメが好きだしメイドカフェで働いたりもしてたんだー。可愛いものが好きで、声優さんのお仕事とかもやりたいなぁ。みんな、がんばろ！」
愛くるしい笑顔と声で、リリィが締めくくった。