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SEXYSIX~60日の合体合宿~
第5章 ユキの衝撃
「アイドルというのはこれまでもある意味……実質的には、セックスシンボルでもあった」
瀬野さんはそう言った。これは私には否定できない説得力があった。こんな合宿、無謀だってわかってる。でももう私には帰る家なんてないも同然。それに必ず成功して、モデラートと出会いたい……あわよくば、森川奏介と――なんて妄想だってしていたんだから、もう覚悟を決めて頑張るしかないんだ。


でも、よりによって……、最初の晩の相手がこんなチャラ男だなんて……。覚悟が揺らぐ。シュウだって奏介には敵わないものの、端正な顔立ちをしてる。もちろんリトも、レイも……3人ともオーディション合格者なだけあって、ルックスは抜群。だけど、奏介とはみんなタイプが違う……。奏介は、クールで、でも笑顔が可愛くて優しくて、歌がすっごく上手くて、話し上手で、骨格が逞しくて、セクシーで……、とにかく、王子様そのもののスーパーアイドルなんだから。

「しかしさぁ、災難だったね、その、予備校の講師だっけ?奥さんいたってやつ」
「あ、うん……。若いし指輪もしてないし、全然気付かなかった……」
予想に反して、2歳年上のシュウは私が部屋に入っても全く迫ってこない。そしてこうしてベッドで隣に腰かけ、至って普通に会話を交わしている。みんなで居る時の様子だと、部屋に入った途端にがっついて襲ってくるものだと思っていたから、少し拍子抜けした気分。

「結構何度かした後だったの?」
「えっ……?」
「あぁ、だから、セックスをさ。何度かした後に既婚者発覚、って感じ?」
「うん……そう。予備校にいる時にね、先生奥さんからお電話ですよ、って、事務所の人が呼びに来たの」
思い出すだけで胸が痛い。初めての彼氏だと思って疑いもせずにいたのに、不倫だったなんて……、人生の汚点だ。

「うっわぁ……それきっついね。弁解とかされた?」
「された。しばらく私、家に一人だったから、その日も来ちゃって、違うんだ話を聞いてくれ……とか言われて……、でも、鍵閉めたまま、出なかった。それから予備校にも行けなくなっちゃった」
「それ正解。ユキちゃんよく断ち切ったね。鍵開けてたらそのままズルズルだよ絶対」

え……このひと、私を褒めてる……?チャラくて軽い女好きなだけの男だと思ってたのに、なんか違う……?

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