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第2章 集結

「避妊はどうするんですか……？」
頬を染めながらこう尋ねたのは坂下雪乃（ユキ）。黒髪ロングのミステリアスな美人だ。

「女性には合宿期間中ピルを服用してもらいます。あぁそうだ、HIV含む性病検査も全員健康診断で済んでるから心配要らないわよ。経験があるのはわかってるけど、なんというかセックスに慣れてもらったり、いろんな相手とのパターンを経験してもらって……、」
「セックスシンボルとして不可欠な色気を身に付けてもらう」

「そう、色気ね。資料としてAVもたくさん用意してあるわ。あと食事は精力増強メニューになってるから、草食男子だなんて言ってられないぐらい元気になっちゃうわよ？」

「あー、それはもともとオレ問題ないかな。っていうかマリさんにこんな話されんのエロ過ぎねぇ？」
隣にいるレイに小声で話しかけたシュウを、瀬野が睨む。苦笑している奥田黎（レイ）は、色白で一見可愛い印象の男性だ。

「男女混合のグループって、結局色恋で揉めて脱退してしまったりっていう痴情のもつれが多いのよね……。事前に全員と関係を持っておくことは、そういった懸念も排除できると思うの。独占欲が出て来ちゃったりもするかもしれないけど、……つまりデビュー前にそのへんのことは済ませておいてね？ってこと」

女性陣から口々に不満の声が湧き上がる。
「そ、そんな……、いくらなんでもこんな契約おかしい……」
「そうだよ……、こんな話、聞いたことない……」
「ぬるいな。聞いたことないからこそ売れるんだ。前代未聞の大がかりな企画なんだぞ。『今脱げるアイドル』、しかも男女混合グループで絡みもある――絶対に売れる。俺達を信じろ！スターカオスの社運を賭けたプロジェクトなんだ、何もおかしくはない」
淡々と自信たっぷりに瀬野が言い切る。