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飴色トライアングル【完結】
第1章 なんで今頃私の前に現れるの?

「英昭さんもね、お姉ちゃんの事は知らなかったって」

「!?──そ、そう」

私の事は、なかったことになってるんだね!

だったら、私も由美には黙ってなきゃ。


「もういいよそんな話は、食べよう」
ヒデの冷たい言葉

「そうだね、冷めちゃうしお姉ちゃん食べよ?」

「う、うん…」

楽しく食事する気分じゃないけど
妹の為…

作り笑顔で必死に感情を押し殺した!


「私これ苦手、英昭さん食べて?─」
「ダメだよ好き嫌いは、美味しいから食べてみな」

「そう?──分かった食べてみる」

「……」


昔から甘え上手だった由美!

子供の頃は素直に甘える由美が可愛くて
何かと世話を焼いてきたけど…

今はそれを見るのが、こんなに辛いなんて…

私も由美のように可愛く振る舞えたら…

少しは違っていたのかも!

目の前の2人を見てると、長い間心の奥に閉じ込めておいた感情が沸き上がって涙が溢れそうになる!

なるべく2人を見ないように俯き
視線を合わせないようにした。

「お姉ちゃんどうしたの?食べてないね」

箸の進まない私を由美が気にしてる。

「え?─あ、ううん、そんなこと無いよ」

心配させないように頑張って口に運ぶけど
やっぱり食欲は湧かなくて
味さえもわからない!

「別の店の方が良かったかな?─美緒ちゃんの好きな物が分からなくて、気に入らなかったならゴメンね」


「……ぁ、いえ、大丈夫です」

わかってはいるけど
他人行儀なヒデに寂しさが込み上げる。


せっかくの料理、食べなくちゃ!

時々溢れそうになる涙を堪えながら
無理やり料理を口に押し込んだ!


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