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飴色トライアングル【完結】
第1章 なんで今頃私の前に現れるの?
「アハハ、美緒ちゃんどうしたの?顔が真っ赤だけど…」
「……」
煽るように大声で笑ったりして─
バカにされてるようでただ黙って俯くしかなかった。
ヒデの視線から顔を逸らすと今度は由美までも…
「やだ、お姉ちゃん!いくら英昭さんがカッコいいからって好きにならないでよ?私の彼氏だから」
キャハ
──分かってるそんな事。
由美は知ってるの?
私とヒデの事を─
何となくヒデの視線に気付いて顔を上げると
由美に見えないように鋭い視線を私に向けてくる。
そして─
「由美心配しなくても大丈夫だよ、美緒ちゃんは俺のことなんか好きにならないから─だよね?美緒ちゃん」
「……」ズキン
ヒデの言葉に胸が苦しくなった!
やっぱり私に気付いてるんでしょ?
ヒデは私の事をまだ憎んでるんだ!
それなら、
私は由美のためにこの現実を受け止めなきゃ
大丈夫、今度は逃げないから
たとえそれが苦しい事であっても─
「お姉ちゃん今日はなんか変じゃない?大丈夫?」
由美が心配そうに話し掛けてきた。
「大丈夫だよ、それより今日はどうしたの?」
平静を装って笑顔で言葉を返した。
「今日はね──」
「英昭さんがお姉ちゃんに挨拶したいって言うから」
私に……そうなんだ!
由美は私達の事はきっと知らないね
私に2人の出逢いを嬉しそうに話してくるんだから…
「英昭さんってお姉ちゃんと同じ高校なんだって、お姉ちゃん英昭さんの事知らない?」
「え…さ、さあ?どうだったかな」
まるで私を試してるような質問にドキッとする。
「でも、学年が違うから知らないか?」