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飴色トライアングル【完結】
第9章 まるで迷路…抜け出せなくて
◇◇
「良かったぁ~!よそ見したら許さないからね」
「…大丈夫、しないよ」

「……」

ガタン
「美味しかった、ごちそうさま」

自分では納得したつもりなのに
どうしてこう胸がキュッって痛くなるんだろう

早くこの場から消えたくて急いで席を立った。

「もういいの?」
うん、美味しかった。ありがとう

「後はお2人でどうぞ…お邪魔虫は消えるわ」
「やだお姉ちゃん、邪魔なんかじゃないのに─ねぇ英昭さん?」

「ぁ、あ~!美緒、ちゃん、あの」
「お風呂入って来る…英昭さんごゆっくり」

ヒデが何か言おうとしてたけど、言葉を遮ってリビングを後にした。

バタン──


ジャャャャャ─ジャャャャャ─

心がモヤモヤして落ち着かない!


(私が英昭さんを誘ったの、最近忙しいし外食ばかりだから…お姉ちゃんも疲れてるみたいだし一緒にどうかなと思って)


結局、最後は惚気を聞かされて
惨めになっただけ。

いくら私が忘れようとしても
こんなんじゃ
いつまでたっても…私、変われないじゃない。

由美とヒデが付き合いを続ける限り
私はずっとこれに堪えなきゃいけないんだね。

私は2人の幸せそうな姿を近くで見ていられるんだろうか

もう泣かないって決めたのに
こんなに簡単に想いは砕かれて…情けないよ。

ジャャャャャ─ジャャャャャ─

壁に手を付き熱いシャワーを頭から浴びた。

嫌な感情も涙と一緒に流せたらいいのに─

ジャャャャャ─ジャャャャャ─


長い時間シャワーを浴び
少し気持ちも落ち着いた。

いつまでもここにいるわけにいかないね
もう出なきゃ!

キュッキュッ。

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