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飴色トライアングル【完結】
第9章 まるで迷路…抜け出せなくて
ガチャ─
「あっ!」

お風呂を出るとリビングから出てきたヒデと鉢合わせになった。
由美の姿はないけど
ちょうど帰るところだったみたい。

「…ぁ…お邪魔しました、もう、帰るよ」
「あ、う、うん」


まさか廊下にヒデが出てくるなんて思わなくて
急いで頭に巻いたタオルを取り去った。

スッピンだし、いくらなんでもこんな姿を見られるのは恥ずかしいから…

慌てて手ぐしで髪をとかす私を見て
ヒデがくすっと笑ってる!

やだ─何か言わなきゃ
必死に言葉を探した─

「ケーキ…ありがとう!美味しかった」


「それは良かった!─美緒、髪が…」え!

俯く私の髪にヒデの手が延びてきた。

ドキッ─なに?

突然の事に驚き─顔を上げると、優しい笑顔の英昭と眼が合った。

ドクンドクン
胸の鼓動がどんどん大きくなって痛いくらい

ヒデから眼を逸らせずにいると─
「ほら…髪、ちゃんと拭かなきゃ、風邪引くぞ」

髪の先から雫が垂れるのに気づいたヒデが指で拭ってくれた。

「あ、ありがとう!」

ドキドキ

─そんな優しい眼で見ないで。
鎮まりつつある心臓がまた大きな音を立てる
漸く止まったのにまた涙が滲んできそうだった!

「ヒ、デ…」


バタンッ!
「英昭さん忘れ物…え?」ハッ!

その時
リビングのドアが勢いよく開いて由美が飛び出してきた。

「「……//」」

すぐにヒデから離れたけど
それがかえって不自然だったかも─
私達の様子に由美は不思議に思ったみたい!

「……なに?、どうしたの2人とも?」

ううん何でもない!

心臓がバクバクして由美の顔が見られなくなった。


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