この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
飴色トライアングル【完結】
第10章 私に愛のあるセックスを教えて
「あの、それって─」
こんな事聞いていいのか分からないけど
「俺の…子供?」
「ムッ─それどういう意味?」
「私が浮気でもしてるって言いたいの?」
あ、いや!
そうじゃないけど
一応確認しときたくて─
由美を怒らせたみたいだ。
眉間にシワを寄せ俺を睨み付けてくる。
「もういい、帰る」
「あ、待って、ごめん」
そんなつもりじゃなかったんだけど。
でも俺達…
「英昭さんは嬉しくないの?」
それは─
なんて答えていいのか
まだこの現実が受け止められなくて!
簡単に返事なんて出来ない。
心当たりがない訳じゃないけど
それはだいぶ前の事だし
「英昭さん凄く酔ってたから覚えてないんだよ」
〝だから私ダメだって言ったのに〟
そう言われたら
それ以上言えなくなった。
「お姉ちゃんが─英昭さんならきっと喜んでくれるって言ってたのにガッカリ」
ぇ!?─美緒に、もう話したの?
事実なら隠し通せる訳はないんだけど
正直、美緒には知られたくないと思った。
由美から話を聞いてどう思ったんだろう?
美緒を好きだと言っときながらこんな事になって最低なヤツだときっと思ったよな。
「美緒ちゃん、他に何か言ってた?」
「…なんで?─お姉ちゃんの反応が気になるの?」
あ、いや、言ってないならいいんだけど
聞き方が悪かった!
「そうじゃないけど、結婚前なのに…子供なんてちょっと」
「アハハ…やだ、今時そんなの珍しくないでしょ?」
由美は呆れたと言わんばかりに笑い出した。
そうか、なら…いいんだけど─
「英昭さん、ちゃんとこれからの事考えてね…私、産むから…」
「……」