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飴色トライアングル【完結】
第10章 私に愛のあるセックスを教えて
◇◇◇
「吉川いいのか?本当に」

「はい、手続きお願いします」


バタン──

ふぅ!
今日はもう戻り出来ないように
自分を追い詰めた。
さて、次は

「先輩?」キャッ─

ドアを閉めた途端に声を掛けられた。
なんだ千秋だったの?

「びっくりするでしょ、どうしたの?」

「どうしたのじゃないてすよ、ここに何の用があったんです?」

あ~!ここ?…

『役員室』
正式に決まってから話そうと思ってたけど─
中途半端な答えじゃ千秋は納得しないかな!

「…私ね、会社辞めようと思って」

今、退職願いを出して来たとこ。

突然の話に千秋が固まった!
泣きそうな顔で…
「え?…先輩ヤだよ、なんで?」

うんごめんね。
相談もしないで!
誰かに相談したら心が揺らぐから

「何でですか?…進藤さんの事が好きだから?…なにか関係してるんでしょ?」

「ちょっと」そんな大きな声で

クスッ…千秋ったら
ストレート過ぎて返事に困るけど
「そうかもね」

いくら吹っ切ろうとしても…
新しい恋を見つけようとしても…

このまま由美達の傍にいたら

抜け出せそうにないから。

タイミングを計ってたら、いつまでも進めないし
気が変わらないうちに思いきって行動に移してみたの。

善は急げって言うでしょ?
ずっと考えてたんだよ!
どうすればいいのか…

由美が妊娠したなら結婚は確実
この先もずっと付き合っていく事になる。

だから今のうちに1人になって早く自分を取り戻さなきゃ。

「会社辞めてどうするんです?」

「まだ決めてないけど」

取りあえず
誰も知り合いのいない所へでも行こうかな!


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