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飴色トライアングル【完結】
第10章 私に愛のあるセックスを教えて
──//
「例えばですよ?…大智さんにずっと忘れられなかった人がいたとして、その人が突然目の前に現れたら─どうします?」


しかも
「大智さんには恋人がいて、その人のお腹には赤ちゃんがいるんです…」

身内とはさすがに言えないけど
なるべく近いシチュエーションで─
どんな風に思うのか聞いてみたかった。

「それって!?…」え?…

「あ、いや、何でもない」

話がリアルだったかな?
今の私の事だと思ったかもしれないけど。

「俺なら、いい父親になろうとする、かな?」

ですよね!
子供に罪はないもの。

「でもさ、気持ちはそう簡単にはいかないよ」
え?

「子供のために努力はするけど、相手が近くにいたら辛いかもね」

〝だから不倫はなくならないんだよな〟

そうだよね、だから私から離れてあげなきゃ
由美達がずっと幸せでいられるように。



「大智さん今日はありがとうございました」

話を聞いてもらってちょっぴり気持ちも楽になった。

〝マンションまで送るよ〟
図々しくマンションまで送ってもらって─申し訳なかったな。

「いつでも話し相手になるから、寂しくなったら連絡して…」
大智さん!ありがとう。

「じゃ、また」
帰ろうと歩き出したのに…

「あっ!美緒ちゃんちょっと待って」

え!
急に呼び止められた…
なに?

「部屋の前まで送るよ、あそこに怪しいヤツがいるから危ないよ」

大智さんが指差す方を見ると…
エントランスの横に人影が見えた。

ホントだ。酔ってるのかな?
若い男性がうな垂れ壁に凭れていた。
あんなとこで何やってるの?

「……ぁ…」

あれは…

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