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飴色トライアングル【完結】
第10章 私に愛のあるセックスを教えて
…ヒ、デ…
そんな所で何してるの!?
気配に気付いたのかヒデが顔を上げた!
凭れていた壁から身体を起こし私達の方へ向き直った。
「─ミオ」
「……」
ヒデが近づいてくる…
どうしたっていうの?
「美緒ごめん、ちょっとだけ話したい」
!!─でも
ダメだよ、2人ではもう会わないって由美と約束したし…こんなとこを由美に見られたらまた傷つける事になる。
ブンブン
もうやめよ。
辛くなるだけだから!
「美緒、頼むよ、ちょっとでいいんだ」
どうしよう、何て言えばいい?
隣には大智さんもいるし
大智さんは私とヒデのただならぬ雰囲気におかしいと思ってるはず。
「……」
返事が出来ずにいる私に大智さんが…
「美緒ちゃん、彼とちゃんと話し合った方がいいんじゃない?」
え?
「心配なら俺が近くにいるからさ」
大智さんはすべてを察したみたい。
笑顔で頷いてくれた。
そうだね。
最後におめでとうくらい言ってあげてもいいよね
コクン、ありがとう!
でも大丈夫、1人で平気だよ。
「そ?、コクン…じゃ俺帰るわ」
うん!ありがとう。
大智さんをその場で見送った─
姿が見えなくなると
ギュッ!
ヒデが私の手を掴んで歩き出した。
「あ、ちょっと…どこ行くの?」
「ここじゃ人目につくから」
私の手を握ったままヒデはタクシーを止めた!
タクシーなんて─どこまで行くつもり?
「後で送るから」
─でも!
「……」
見覚えのある景色に
どこに向かっているのかすぐに分かった。
ヒデのマンションに行くんでしょ?
「ごめん、ゆっくり話せる所って考えたら─ここしか思い付かなくて…」