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飴色トライアングル【完結】
第1章 なんで今頃私の前に現れるの?
あの時の私には─どうすることも出来なくて
逃げることしか出来なかった。
出来ることなら私だって…ずっとヒデのそばに居たかったし、そのつもりだった。
(美緒…俺さ、こっちの大学に行く事にした)
(え、でも先輩…東京に行くって…)
当時…英昭先輩は高校3年
バスケ部のエースで生徒会の会長を務めるほどの秀才、東京の大学へ行くって言ってたのに─
(美緒を置いてったら、誰かに取られそうだから)
(でもそれじゃ…)
(こっちの大学でも勉強は出来るさ)
(先輩、後悔しない?)
(しないよ、美緒と離れた方がきっと後悔すると思う)
(じゃ私も先輩と同じ大学に…はムリだ)
(美緒はまだ1年だから頑張れば大丈夫だよ)
(絶対無理、頑張れないよ~)
(俺が勉強教えても頑張れない?)
(うそ、ホントに?……じゃ頑張る)
(なんだよ現金だな美緒は……アハハ)
ヒデが卒業してからも
2人で頑張っていたのに……
そう、あの時までは!
もしあの時、私に勇気があったなら
正直に話していればヒデは私の事を受け止めてくれたんだろうか…
なんで、こうなったゃったんだろ─
まさか妹の彼氏として再会するなんて
姉として応援してあげなきゃいけないんだろうけど
出来るかな?私に
ヒデはどんな気持ちだったんだろ
私に会って
自分を振った相手を見返したくて
わざわざ会いに来たんじゃないよね!
動揺する私はきっと面白かったはず
はぁ~!
これから私はどうすればいいの?
なるべく考えないようにと
ベッドに寝転んで眼を瞑ったけど…
心がモヤモヤしてなかなか寝つけなかった。