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飴色トライアングル【完結】
第10章 私に愛のあるセックスを教えて
凄く緊張してたのに─
「ヒデは自分だけシャワーに行っちゃうし」
「あの時は、俺すげ~汗かいてたし美緒に臭いって思われたくなかったからさ」
私だって!
今日はキス以上の事があるかもって覚悟してたのに自分だけシャワーってズルい。
「俺さ…女の子を家に呼んだの美緒が初めてで緊張してたから…ごめん」
でもその後、私がジュースこぼしたり
それどころじゃなくて結局何もないままだったけど!
「なんか笑っちゃうね」
「アハハ、ホントだな」
クスクス
アハハ、ハハハ─
「なぁ美緒…俺達、今だけは昔のように恋人になろ?」
「─ぇ─」
「…止まった時間を巻き戻さないか?」
いいの?
ヒデの言葉が嬉しかった。
今だけでもいい!
短い時間でもヒデと過ごしたあの頃に戻れるなら…他にはもう何も望まないから!
そのあとヒデが優しく抱き寄せてくれた。
こんな日が来るなんて…
なんか─泣いちゃいそう。
〝美緒…〟ギュッ!
耳もとで聞こえるヒデの声があまりにも優しくて涙が滲んでくる。
グッ、こんな顔…恥ずかしくて見せられないな!
涙を堪えて俯いた。
「──ん?美緒?こっち向いて…」ブンブン
待って、今はダメ!
「美緒、どした?」ブンブン
なんでもない!
「み~お?─あっ!これ見てみ?」
え、なに?!
急に大きな声を出すから顔を上げると…
…ニヤッ
あ!騙された。
クスッ…ヒデが笑いながら顔を覗き込んでくる。
あ~もう意地悪。
「…美緒、好きだよ」ドキン
「──」
「…好きだよ美緒」─ズルい。
今そんな事言われたら…私
勘違いしちゃう。