この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
飴色トライアングル【完結】
第11章 歩きだした美緒─ 応援してやらなきゃ。
「い、や、取ってないけど─なんで?」
「そう…ですか?」
!?
残念そうな顔して…
なんで俺にそんな事を?
「あのさ、君は美緒…あ!いや…美緒ちゃんから俺の事、何か聞いてるの?」
いつもの調子で呼び捨てるとこだった。
バレたか?
落ち着け大丈夫だ!
「あ~!えっとぉ~」
返事に困ってる?
考えながら、言葉を選びながらって感じだな。
「由美さんの彼……で、先輩の……元、彼?」
──!
やっぱりか。
もう全部知ってるって事なんだよな。
「おめでとうございます、聞きました赤ちゃんが出来たって……」
「うん、まぁ」
「予定日はいつなんですか?」
「……ぇっと、いつだろ」
「え?─知らないんですか?」
そう言えば、近いうちに病院に行くって言ってたけど…その後、どうしたかな?
帰ったら聞いとかなきゃ。
あ!そんな事はいいんだよ、
今は美緒の話を─
「美緒は…元気にしてる?」
大丈夫だとは思うけど。
なんでもいいから美緒の事が聞きたかった。
「心配ですよね、私もずっと気になってて…たまたま進藤さんを見掛けたから今どうしてるのか聞いてみようと思って声を掛けちゃいました」
「だよね!俺も心配で……え?」
「え?」
2人で眼が合って……!?
「進藤さん、もしかして──」
どういう事
同じ会社なら毎日会うだろうに。
まるで行方でもわからないような言い方だな。
「……」
え?…まさか、会社行ってないって事?
「会社─行、ってないの?」
「あ?!…え?聞いてないんですか?─ぁ~!」
シマッタって顔してる。
俺から眼を逸らし何やらブツブツ独り言。
〝どうしよ〟