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飴色トライアングル【完結】
第2章 先輩とキスしちゃった!
◇◆◇
先輩と一緒に帰れるなんて夢みたい。
だけど…
「ひどい先輩」
「アハハ、ごめんごめん」
そんなに笑わなくてもよくない?
さっきの事…
私が口を開けて寝てたって、先輩はずっと笑ってる。
はぁ~!
憧れの先輩にそんなマヌケな姿を晒すとは
もうこの恋は完全に終わったよね!
マンガみたいにハートが粉々に砕けて落ちる場面が頭に何度も浮かんでくる。
「はぁ~」
「大丈夫、口は少し開いてたけど可愛かったぞ」
「可愛くないですよ」
今更そんなお世辞言われてもちっとも嬉しくない!
「可愛いよ美緒は」
「もういいですよ、からかわないで下さい」
早くこの場から離れたい。
やっぱり1人で帰ろ。
わざわざ送ってもらうのも悪いし
ここを、曲がれば家はもうすぐ
「先輩もうここで…」
「美緒は、彼氏いるの?」え?─
御礼を言って帰ろうとしたのに
先輩から質問されて話が途切れた。
「彼氏がいたら、先輩なんて置いてとっとと帰ってますよ」
「…だな」
もう私は砕け散った恋に半ばヤケクソ
「先輩はいないんですか?彼女」
ファンクラブの友達によると特定の彼女はいないみたいだけど
でも、上手く隠してるだけかもしれないし
「いないよ、告白された事もないよ」
え?──
告白もないの?
嘘でしょ、あんなに人気があるのに。
でも、よく考えたら
先輩を好きな子はたくさんいるけど
告白なんてしたらファンクラブのお姉様が黙ってるわけないよね。
先輩は学校のアイドルだもの
ひとり占めなんてしたら…
わぁ~怖いこわい。
人気なのも良し悪しだな!
そう思ったら ちょっと可哀想になった。