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飴色トライアングル【完結】
第2章 先輩とキスしちゃった!
「先輩にファンクラブがあるの知ってます?」
当の本人はファンクラブの存在を知ってるのかな?
「聞いたことはあるけど…まさか美緒は入ってないよな」
立ち止まった先輩が私を見下ろしてきた。
「へ?─えっと」
ここは何て言った方がいいの?
入ってはないけど隠れファン
そう言ったら先輩は引くかな
せっかく冗談も言える仲なのにギクシャクするのは悲しいし
「美緒は入ってるの?」
返事を返さない私に先輩が同じ質問を繰り返す。
えっと、えっと、
「私は…入って、ないです」
ガッカリする?
上目遣いで顔を上げると、切なそうな顔をする先輩と眼が合った!
やっぱり嘘でも入ってるって言った方が良かった?
「あ、でもでも、私ファンクラブには入ってないけど…先輩の事は…大好きですっ!」
「……ぇ」
!?──あ!やだ、
どさくさに紛れて、告白しちゃった─
どうしよう、そんなつもりじゃなかったのに
─口が滑った。
顔や耳がたちまち熱くなる。
もう恥ずかしい!
先輩を見られなくて俯いた。
どうしよう、冗談って事にしようか?
突然告白なんてされて困るよね?
これからどうしよう、マネージャーも辞めた方がいいのかな?
「美緒ごめん」
あ!やっぱり──ですよね!
アハハ、いいんです!
先輩の答えなんて分かってたし
勢いで言っただけだから
悲しいけど、これで良かったのかも
きれいサッパリ諦められる─
いいのいいの。
優しい先輩だもの
きっと私に気を使うに決まってる
「気にしないで下さい先輩!」
満面の笑みで先輩に笑い掛けた。
「じゃ先輩、私帰ります…さようなら」