この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
飴色トライアングル【完結】
第13章 ドキドキが止まらない!
コツコツコツ──!?
ぇ、え?…
ドクン、ドクン
……ウソ、なに?─なんで?
そんなはずないけど
「ヒデ…」
フェリーから降りてきたのは間違いなく英昭で…
真っ直ぐにこちらに歩いてくる。
うそ、目の前に英昭が…
「美緒・・・元気だったか?」
「……」
これは偶然?
どうしてヒデがここにいるの?
訳がわからず私はオロオロするばかり
ハッ!──千秋はどこかにいるんだよね?
どこ?周りを見回し千秋を探した。
キョロキョロする私を見た英昭は
「千秋ちゃんは来ないよ」
「……ぇ」
来ないって、なんで。
昨日は何も言ってなかったよ。
ヒデは千秋と話をしたの?─
ここに来るはずだった事を知ってるって事だよね…
じゃなきゃ、ヒデから千秋の名前が出るわけない
「千秋ちゃんが…美緒はこの島にいるって…」
千秋が喋ったの?
絶対言わないでって言ったのに
「千秋ちゃんは悪くないから」
「美緒にどうしても会って伝えたい事があるって、千秋ちゃんに頼んだんだよ」
ぇ──
突然の事に何て言ったらいいのか分からない…
──
(千秋ちゃん頼むよ美緒の居場所知ってるんだろ)
(どしても美緒に直接会って話したいんだよ)
(……そんな)
(頼むから)
──//
「ごめんな驚かせて、びっくりしただろ?」
あたり前でしょ。
千秋を迎えに来たんだよ私は─なのに
こんな事ってある?
「美緒、話があるんだ」
─なによ!
わざわざこんな遠くまで来て─何の話なの?
「行こう」
ぇ、行くってどこへ?
「美緒の家、どっち?」
私の家?─
「詳しいことは後で話すから、取りあえず行こ」