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飴色トライアングル【完結】
第13章 ドキドキが止まらない!

行くなんて言ってないのに!
英昭はさっさと歩き出す。
私は呆気に取られヒデの背中をボーッと眺めていた。

「……」

「─美緒、行くよ」はっ!

私に一声掛けて、ヒデはすぐに歩き出す。
ちょっと待ってよ。

なんで私の家に行かなきゃいけないの?
話ならここで聞くから

「ここじゃゆっくり話せないだろ?…俺らみんなに見られてるから」

?!見られてる?
振り返るとそこには、組合のおじさん達に…

やだ、みどりさんまで…

みんなが私と英昭を見てニヤニヤしてる。
なんでここにみどりさんが?


あ、そっか!
ペンションに泊まるお客様を迎えに来たんだ。
いつもは私が迎えに出るのに休みを貰ったから

どうしよう、みどりさんには女の子の友達って言ってあるのに…
これじゃ誤解されちゃう。
言っておかなくちゃ─

説明しようとみどりさんに近づいた…
「あの、みどりさん─これは…」
「いいのよ、気にしないで♪…お客様が待ってるから行くわね」
あ、ちょっと…

私の話なんてまったく聞いて貰えなくて
みどりさんはお客様の所へ早足で歩いて行く。
あ~!ちょっとくらい聞いてくれてもいいのに

「…あ、そうだ、美緒ちゃん?」
え、…なに?!顔を上げると

ウフフ
「楽しんでね♪」
「……」

〝なんだ~美緒ちゃん、やっぱ彼氏じゃね~か〟
おじさんまで…

「美緒行こう」…あ、ちょっと!

英昭に腕を捕まれ引き摺られるように歩かされた。

「どっち?」へ?あ、えっと…

何となく視線を右に向けると英昭はそのまま右へ歩き出す。
ヒデはこの島に来たことないよね?
まるで道を知ってるのかと思うくらい動きが早くて驚いちゃう。

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