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飴色トライアングル【完結】
第13章 ドキドキが止まらない!
「あそこ?」─ぅ、うん。
「周りに家ないの?」
うん、この辺はね!
海岸の近くには民家も多いけど
ここはちょっと高台だから…
でも家の窓からは海も見えるし眺めは最高だよ!
家の前までやって来ると
「鍵は?」──ぇ、あ~!待って。
急かされるように鍵を開けると
「入っていい?」──ど、どうぞ。
家に入ると英昭はさっそく窓を開け外の景色を眺め始めた。
「へぇ~いいね!なんか落ち着くな」
そうでしょ?
1人で住むには広すぎるけど窓を開ければ綺麗な海も見えて心が癒されるの。
古いお家だけど自分なりにいろいろ手を加えて気に入ってるんだ!
窓枠に手をつき景色を見つめるヒデ
そんなヒデの後ろ姿を見てると
なんか不思議─
だって突然私の前に現れて─
今は家に2人でいるんだから。
後ろ姿に見惚れいると…
急にヒデが後ろを振り向いた。
ドキッ。なに?
真剣な顔して─
「……あのさ、わざわざこんな事を美緒に言うことじゃないのかもしれないけど」
なに?何よ!ゴクッ
そう言ったまま何で黙るの?
私にわざわざする話じゃないなら
別に言わなくてもいいよ。
きっと幸せの報告なんでしょ?
「……」
英昭の沈黙が堪えきれない。
これ以上自分が傷付かない為に─私は自らを奮い立たせ敢えて積極的に話し掛けた。
「由美は元気なの?─子供は?もう産まれたんでしょ?男の子、それとも女の子?」
あ!そうだ。
すっかり忘れてたけど…
御祝いをまだ渡してなかった!
「私!お祝い…送るの忘れてたよね。こっちに来るなら先に言ってくれたら用意しとくのに…」
「待ってね、すぐ用意するから」