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飴色トライアングル【完結】
第13章 ドキドキが止まらない!
子供はどうするの?
由美に1人で育てろって言うの?
そんな─酷い、ひどいよ。
「嘘つき!─何でよ!
いいパパになるって言ったじゃない」
どういう事?…
ちゃんと分かるようように説明して
暫く黙っていた英昭だったけど─
漸く重い口を開いた。
「──由美はさ─」
!?─ゴクッ
由美が何かしたの?
「妊娠…してなかったんだよ」
!?…え、ウソ!
そんなはずないよ……
だって…由美は私に間違いないって─
凄く嬉しそうだったんだよ?
なのに…どうして!
無事に産まれて
家族3人で幸せに暮らしてるって思ってたのに─
違ったの?
「勘違いだったみたいでさ」
「……」
そんな……
力が抜けてその場に座り込んだ。
それじゃ…私が今までしてきた事はなんだったの、
由美が妊娠したって言うから…
仕事を辞めてマンションを解約までしたのに
おまけに英昭にあんなお願いまで…
〝ヒデ、私を…抱いてほしいの〟
すべてを捨て、落ち着く場所を求めて
やっとここに来たのに─
今になってそんな
「そもそも、俺が最初に由美に話しておけばこんな事にならなかったんだけど…」
〝俺が由美を追いつめたのかもしれない─〟
どういう事?
何があったの…
「偶然、駅で千秋ちゃんに会ってさ─聞かれたんだ…予定日はいつ?って!」
「俺…自分の子供の事なのに、細かいこと全然知らなくてさ─」
「──それで由美に確認したんだ、病院には行ったらしいけど…妊娠してたんじゃなかったんだって!」
由美の気持ちがわかるような気がした。
だって英昭の子供が出来たってあんなに嬉しそうだったもの。