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飴色トライアングル【完結】
第13章 ドキドキが止まらない!

◆◇◆
「由美、病院は?」
行くって言ったっきり何も言わないし─
いったいどうなってんの?

もう行ったんだろ?

いい父親になると決めたのに予定日も知らないなんて、あり得ないよな。

人に言われて気づくとか…ダメじゃん俺
忙しさに感けて聞かなかった俺も悪いけど─

由美が何にも言わないから
もしかして違うんじゃないかって…
そんな事が頭に浮かぶんだよ。

「病院…行ったんだろ?」

「──行っ、たけど…」
そう?じゃ妊娠は間違いじゃないんだな。

「順調だって?予定日はいつなの?」
「……」

「──?!」
なんで黙ってんの?
俯いたまま何も喋らない由美に…不安が募る。

「由美?─」

「……そうだと、思ったの」
え?なに?
もっかい言って

「…間違い、だったの!」え!

震えた声を絞り出すように呟いたあと、由美は俺に背中を向ける。

間違いって、どういう事?
子供が出来たんじゃないの?

「妊娠──じゃなかったの…」
「──は?」

ぇ、嘘だろ?
妊娠したんじゃないの?…
じゃ今まで俺を騙してたって事?

「由美、こっち向けよ…どういう事?」

背中を向ける由美を起こして顔を上げさせた。
ちゃんと目を見て言って!

「ごめんなさい、本当に妊娠したと思ったの」

「……」そんな─
身体の力が抜けていく。


由美がぽつりぽつり話し出した。

「今まで、遅れることなんて無かったし微熱も続いてたから間違いないって思ったの」

〝受診しようとしたのに…〟

─違ったんだ!

「それでも、一応病院には行ったんだけど」

それなら…
「なんですぐ言わなかったの?」

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