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飴色トライアングル【完結】
第13章 ドキドキが止まらない!

すぐ言ってくれたら…
〝なんだそっか〟で済んだのに。

〝……ごめんなさい─〟

謝って欲しいわけじゃない。
ただ黙ってた理由を聞きたいんだよ。

「だっ、て!」
寂しそうに呟く由美。
なに?

「嬉しかったの!英昭さんが一緒に暮らそうって言ってくれて─それなのに間違いだなんて言ったら…」

「一緒にも住めないし、何もかも全部終わっちゃうでしょ?」

それは─
確かに妊娠が同棲のきっかけにはなったけど
だからって─
黙ってても分かるのは時間の問題なのに

なんでこんな事に…
このイライラをどこにぶつければいい?
掛ける言葉が見つからなくて、暫く2人とも黙ったままだった。

覚悟を決めて由美をここへ呼んだのは何だったんだ?…


「英昭さんだって…黙ってたじゃない」
?!
由美が声を荒げて睨みつけてきた!

「私─知ってるんだから、英昭さんがお姉ちゃんと2人で会ってたって事」

え?…
言葉が出なかった。
誰に聞いた?

美緒か?

「お姉ちゃんの部屋に、英昭さんの写真があったよ…知り合いだったんだねお姉ちゃんと」

それは…

「なんで黙ってたの?隠すことないのに」

「英昭さんは私が聞いた時、お姉ちゃんの事は知らないって言ってたじゃない」

確かに、由美の言う通りだ。
同郷で同じ高校
まったく知らないなんてムリがあった。

俺が最初に他人のふりをしたから

でも、美緒は俺の態度に合わせてくれただけ

「お姉ちゃんが英昭さんを誘惑して私から奪おうとするから…」

……由美、それは違う
美緒はそんな事しないよ。
2人で会ったのも俺が美緒と話したかったからで

全部、俺のせいだ!

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