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飴色トライアングル【完結】
第13章 ドキドキが止まらない!
由美は誤解してる。
黙ってたのは悪いけど、それは美緒が悪いんじゃないんだよ。
「お姉ちゃんになんか、英昭さんを紹介しなきゃよかった」
「由美…違う!」
「……」
俺の強い口調に由美が固まった。
「ごめん、大きな声出して…でも、由美は誤解してるよ、美緒は何も悪くないんだよ」
「なにそれ──美緒って!…呼び捨てするほどの仲なの?」
ぇ、あ、いや。
つい…
もうムリだ、由美に話さなきゃ!
「……俺と美緒は、学生の頃からの知り合いで──付き合ってたんだ」
「うそ?」
黙っててごめん。
昔の事だし…話したら気にするだろ?
美緒もきっと由美を心配させないようにと思ったはず。
「じゃもしかして…英昭さんは、初めから知ってたの?私がお姉ちゃんの妹だって」
「いや……最初は知らなかった」
笑ったとこが美緒に似てるとは思ったけど
本当に知らなかったんだ。
俺は恋愛なんてする気はなかったけど
いつしか由美の明るさに惹かれたのはホントだよ。
本当の恋愛なんて自分には出来ないと思ってたけど由美とならって思ったんだよ!
決して騙すつもりなんてなかった。
知らない方が良いことだってあるし…
地元が同じだからよく昔の話で盛り上がったろ?
そうすると…あれ?と思うことが多くなって─
名字が同じだし雰囲気もどことなく美緒に似てるような気がして…
まさかとは思ったけど─
「由美って、姉妹はいるの?」
「いるよお姉ちゃんが…美緒って言うんだけど」
「…ミオ…?」
「そう言えば、英昭さんてお姉ちゃんと同じ高校だよ、知らない?」
!?美緒─そこで点と線が繋がった。
「さ、さぁ知らないな」