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飴色トライアングル【完結】
第13章 ドキドキが止まらない!
「一応由美に連絡したんだ。美緒に会いに行こうと思うって」
「ぇ……由美、なんて?」
由美の反応が気になるんだろ?
美緒は不安そうな顔で俺の言葉を待っている。
「頑張ってね…だってさ」
「ぇ─ホントに?」うんホント!
由美はもう俺の事なんて何とも思ってないし俺らの事を応援してくれてるから心配いらないよ。
「安心した?」
小さく頷く美緒を見て思った…
ちゃんと、美緒に伝えなきゃ
「─美緒?…俺は美緒が好きだよ。美緒は…俺の事、どう思ってる?」
きっと思いは同じはず─だけど
「ぇ……私は…」うん─
そこまで言ったあと美緒の眼に涙が滲んでくる。
なんで泣くの?
唇を噛みしめ溢れないように我慢する姿にどうしようもなく不安になった。
「美緒?」 ドクン、ドクン
聞かない方が良かった?
祈るような気持ちでいると…
「─私、も─スキ─ヒデが、だぃ、好き」ウッ…
ヒック、ヒック
美緒─ギュッ!
堪らず美緒を抱き寄せていた。
……美緒頼むよ、びっくりさせないで!
すぐに返事がないから
もしかして─美緒に拒否されるかもって
最悪な考えが浮かんで怖かった。
嬉しくて─
大声で叫びたいくらいだけど
やっぱ美緒の前ではカッコ付けたくて冷静な素振りを見せる。
やっと美緒が戻ってきた!
どんな風に表現していいか分からないけど
美緒を抱きしめる手に力だけは入る。
苦しいって言ったって離してって言ったって
今はもう…ただ抱きしめていたくて!
「美緒─ミオ…」
黙って背中に手を回し俺にしがみつく美緒。
頬をすり寄せるとほんのり甘い香水の香りや美緒の温もりにが嬉しさが込み上げる。