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飴色トライアングル【完結】
第14章 青春プレイバック
そんな事まで覚えてたの?
海に行ったのだってヒデはとっくに忘れてると思ってた。
「俺、すげ~ドキドキしてさ…ヤバかったよ」
「……そ、うなの?」
私だって!ドキドキだったよ。
男の人と2人で海に行くなんて初めてだったし、とにかくヒデの前で水着になるのが凄く恥ずかしかったから…
でも…私はカナヅチだから、ヒデに堂々とくっ付いてられるのは嬉しかったけどね。
ヒデは覚えてるかな!
卒業したら旅行に行こうって話してたのを
「これからは2人でいろんなとこ行こうな」
ぇ─うん。
今度は絶対行こうね!
私達、もう誰にも遠慮しなくていいんだよね。
そう思うとやっぱり嬉しい!
あ、そうだ!
「明日ね、千秋と水上バイクに乗ろうと思ってたんだけど…ヒデは、乗ってみたい?」
千秋と体験するつもりだったけど来ないし
私ひとりじゃ…
せっかくみどりさんが予約してくれたのに勿体無い…楽しそうだから乗ってみたいな。
ヒデに言ってみたけど
でも、後ろに乗ってるだけなんて面白くないかな
イヤなら仕方ないけど
「どうかな?」
あ!──ダメだ。
ヒデに話したあとに気がついた!
千秋が来ないって事は
私が着る水着が無いってことだ…
水着は千秋に借りる事になってたのに
「……ヒデ、ごめん、やっぱり、ダメだ」
私、乗れないや!
「なんで?─いいじゃん水上バイク!楽しいぞ」
うん、でも ダメなの
体験のチケットはあるから
ヒデが乗りたいなら体験してもらお。
私は見てればいいや。
「大丈夫怖くないよ、美緒泳ぎ苦手だっけ?泳げるようになった?」
「…な、って─なぃ」