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飴色トライアングル【完結】
第14章 青春プレイバック

「なんだ、ずっとカナヅチ?」
うん。
卒業したらプールの授業もないし
泳げるわけないよ。

「じゃ~美緒は俺の後ろに乗ればいいよ」

ダメだよ水着持ってないし
…ってやだ!
水上バイクって免許いるんじゃないの?
いくらヒデが運動神経抜群でも運転なんてさせてもらえないと思うけど。

「俺…免許持ってきたっけな?」
ん?─やだ。
水上バイクの免許なのに車と勘違いしてない?

「こんなとこで役に立つとはな!」
……?え

「ジェットスキーの免許、大学の時に取ったんだよ」

え、知らなかった!
友達の影響で取ったんだって
凄い…やることがカッコ良すぎじゃない?…

「俺、運動だけは好きだからさ」
そうだった!
バスケ部のエースだもんね。
それなら尚の事、一緒に乗りたかったけど仕方ない。
いいよ、ヒデの姿を眺めてるから

ガッカリする私に
「フッ…心配すんな、預かってるよ…」
預かってる?─なにを─

「水着持ってないんだって?」
え、なんでそれをヒデが知ってるの?

「千秋ちゃんがさ、美緒に渡してって、今朝…駅に呼び出されたんだよ」

嘘、ホントに?
なんだ、じゃ乗れるんだ私も

「別に水着が無くても乗れるけどね、クスッ」

グッ─そうなの?
じゃわざわざ借りなくても良かったって事?

アハハ……
ヒデが大声で笑いだした。
しかも〝美緒は昔から変わらないな〟だって。

どういう意味?
「ん?……天然で可愛いって事だよ」
可愛いわけないでしょ。
もう可愛いなんて言われる歳じゃないよ!

ギュッ─ンンッ
不意にヒデに抱き寄せられた。

ちょっと、こんなとこで…

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