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飴色トライアングル【完結】
第2章 先輩とキスしちゃった!
「終わったんですか?先輩」
「終わったよ」
「俺ずっと見てたんだけど気づかなかった?」
ずっと?
やだ!先輩ったら早く声掛けてよ!
「で、何かあった?何度もため息ついてたけど」
え、あの…ううん
余計な事を言ったらきっと心配する!
「あ、アハハ、何でもないです、それより早く帰りましょ?」
図書室を出て普通に話し掛けようとしたんだけど
また先輩女子に見られたら面倒な事になる!
校舎内では大人しくしてなきゃ
私はキョロキョロしながら英昭先輩の後ろをついて行く…
「……緒、!?──美緒」へ?
もたもたする私を先輩は気に掛けてくれる。
「どした?」
「……いぇ、アハハ」
「ん?─あ~そっか」
私の様子を見て察してくれたみたい。
頷いて先に歩き出してくれた。
校舎の外に出てやっと一息。
外は薄暗くてきっと誰が歩いてるかなんて分からないと思う…
じゃもういいかな?
やっぱり一緒に歩きたいから一応誰も居ないことを確認して─〝よし〟
先輩の隣に駆け寄った。
「ウフフ」
「クスッ─」
嬉しくてつい先輩の顔を眺めちゃう。
すると…先輩がそっと私の手を握ってくれた。
「美緒、俺ばっか見てたら転ぶぞ」
やだ分かっちゃった?
だってカッコいいから…近くで見たいもの
それに手を繋いでるから転んでも平気だよ!
先輩の手を強く握ると
ちゃんと握り返してくれるのが嬉しい。
こんな小さな事だけど…不思議
さっきまで嫌な気分だったのに、今は嬉しくて楽しくて仕方ない!
「あの~先輩?─部活を引退しても勉強で忙しいですよね?」
「なんで?」