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飴色トライアングル【完結】
第16章 彼のために出来ること
結局、その後2時間もヒデは眠ったまま。
なんだお風呂入れたじゃない!
時間は充分だったのに…
ま~いっか朝入れば─
スマホを持って布団でゴロゴロしながらヒデの寝息を聞いてたら私も眠くなってきた。
いつの間にかウトウト………
〝…ん?、あっ!やべっ/あれ?…あ、美緒?〟
〝…美緒?〟ん?
ヒデに呼ばれたような気がして目が覚めた。
「……え、あ、ヒデ、起きたの?ごめん私寝ちゃってた」
〝いや、俺こそ、悪い〟
〝美緒?もしかして、俺が起きるの…ずっと待ってたの?〟
え、─ううん、そういうんじゃないけど…
〝バカだな…電話なんか切れば良かったのに〟
うん、それはそうなんだけど!
もうそろそろ起きるかも…なんて思ったら切れなくてこんな時間になっちゃった…
でも私も寝てたから…
ん?…あ!私ったら─
ヒデからもらった電話なのにずっと通話中のままでいるなんて!
「ごめんね通話料が凄い事になっちゃうよね」
「いや、そんなのはいいんだけど…」
「ごめんな美緒」
やだ、私なら平気だから謝らないでよ。
それより
ヒデ、電話しながら寝ちゃうなんて
やっぱり仕事がよほど忙しいんだよね。
心配だけど今私がヒデにしてあげられる事が何もないのが歯痒くて堪らない。
「ヒデ?…やっぱり暫くの間、連絡はメールにしよ?実は……ペンションが忙しくて最近帰りが遅いんだ。ゆっくり話す時間もないし、ね、そうしよ」
「そうか?…美緒がそれでもいいならじゃ、そうしよう」
「ありがとう」
ヒデとの電話が唯一の楽しみだったけど
せめてこれくらいだから私が出来ることは…
だからヒデはゆっくり休んで。