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飴色トライアングル【完結】
第16章 彼のために出来ること
そんなわけで、平日の楽しみがなくなった。
勿論ヒデは手が空いた時にメールをくれるし……私から連絡すれば返事も来るけど、やっぱり相当忙しいみたい。返事が返って来るのは翌日だもん。
メールだけでも充分だと思ってたけど、やっぱり声を聞けないのは寂しい。
あ~あ!
ヒデに無理はしてほしくないけど
あんな事言うんじゃなかった。
ゴロンと布団に転がって眼を閉じるとヒデと過ごした2日間が蘇る。
………2人で見た美しい夕焼け。
一緒にいる自分が信じられなくて私はヒデの横顔ばかり見てたっけ
その後バーベキューをして……
ジェットスキーに夏祭り。最後に花火まで─
はぁ~!
あんなに楽しかったのに
今はそれがちょっぴり切なく感じる。
グス…
ヒデの事を思い出して涙が滲んでくる。
ダメだな
こんな事で泣いてどうするの?
でも考えると堪らなく不安になる。
こんなのが…いつまで続くのかな?
帰れる目処もまったく立たってないし私達これからどうなっちゃうの?
声を聞きたいけど、自分から言っておいて電話なんて出来ない
ヒデに──逢いたい…
ぼんやりと天井の一点を見つめていると目尻に溜まった涙が頬を伝わり零れ落ちた。
♪ピピピピ………?!ピピピピ……
ん、?な、に、この音
携帯?………♪ピピピピ、ピピピピピピ、はっ!電話だ。
「もしも……し」ピピピピ
ぁ~もう!違う
アラームだった。
夕べあのまま寝ちゃったんだ……
ん?…?!
布団の上に投げ出した携帯が点滅してる。
あ!メール。
え?ヒデから…
いつ来たんだろ?気付かなかった!