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飴色トライアングル【完結】
第17章 笑顔で…さようなら
「美緒ちゃん、ずっと…ここにいてもいいのよ」
え?─なんで?
急にみどりさんがそんな事を言い出すから…
ヒデとの事はみどりさんには話してないし
何も知らないはず─なのにどうして?
「彼と何かあったんでしょ?」
「……なんで?─別に何も─」
みどりさんには全部お見通しらしい。
無理して笑ってるようにしか見えないって!
「ずっとここにいればいいじゃない」
ブンブン
ありがとう!みどりさん。
ごめんね心配掛けて
でももう決めたんだ!
「これからどうするの?」
「──取りあえず、実家に帰ろうかなって」
お母さんがね…たまには顔を見せなさいって
それから先は、また考える。
「誠実そうな人だったのに…」
みどりさんが呟いた。
「……」そうだね。
私だってそう思ってたよ。
「私って、男の人を見る目がないのかな?…アハハ」
アハハ、ハハ
「──いいのよ、泣いても」
グスッ…もう、そんな優しい言葉を言われたら目の前が霞んで来るじゃない。
1度溢れると、涙はなかなか止まらなくて
黙って背中をさすってくれるみどりの前で子供みたいに泣いちゃった。
「大丈夫?」
うん、ごめんねみどりさん。
もう大丈夫!
人前で大泣きしたらスッキリした。
「バカな彼ね、こんないい娘を手放して…後で後悔するに決まってるわよ…いい気味だわ」
グスッ…みどりさんが振られたみたい
私の代わりに怒ってくれて
「美緒ちゃんは、もっといい人見つけてその彼を見返してやりなさい─いい?」
うん、そうだね、そうする!
もう男の人なんてこりごり
絶対、信用しないんだから!