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飴色トライアングル【完結】
第18章 始まりの合図…

「ごめんね、うっかり喋っちゃったの、美緒が帰って来るって…」

そうなんだ!
何年も会ってないから顔を見に来てくれたんだね?

「どうだ?仕事は?」
「彼氏は?いるんでしょ?」

「一緒に来てるのかと思ったんだけど」
だから見に来たの?
結婚の挨拶に帰って来たわけじゃないのに…

「残念でした」
愛想笑いをして…
台所にいる母の手伝いをしようと席を立った。

「お母さん何か手伝う?…」
〝そう悪いわね〟
ヴゥゥゥ~ヴヴヴ
「あ、ごめん電話だ」
ポケットにある携帯が震えた。
誰?…ぇ千秋?

昨日会ったばかりで話すこともないけど、この場から逃げるには都合がいい。

通話ボタンを押し2階の部屋にかけ上がった。
「千秋どうしたの?」
〝先輩、今─どこにいます?〟

なんで?─昨日、忘れ物でもした?
「実家にいるけど」
「……実家?…」──あ!

短い時間にいろんな考えが頭に浮かんだ。
ヒデと別れた事は言ってないのに今実家にいるって変に思うよね!

昨日は私がヒデの所に向かったと思ってるはず

うっかり余計なこと言っちゃった。

「両親にお土産を…届けに」
〝そうだったんですね?─なるほど〟

大丈夫かな?
突っ込まれるんじゃないかとドキドキしたけど
何とか誤魔化せたみたいでホッとした。
でも、なんで?

「何かあった?」
〝え、ううん、暇だから、電話しただけです〟

そ、う?
それにしては、いきなりどこにいるのって
なんか変だけど
「ねぇ千秋『みお~!』
あ!叔父さんだ。
もうなんなの?今電話中だから…

窮屈な所からやっと抜け出せたんだから、もうちょっと千秋に付き合ってもらわなきゃ。

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