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飴色トライアングル【完結】
第18章 始まりの合図…
〝まだ暫くそこにいますよね?〟
「うん、そのつもりだけど」
なんでそんな事聞くの?
「ねぇ千秋」
〝分かりました、じゃもう切りますね〟
「え、千秋ちょっと」ブチッ
あっ!
切られちゃった。
なんなのこの電話は─
『お~い美緒』
また叔父さんだ。
はいはい!今行くから
──
「なんだ彼氏からか?」
一階へ下りると早速質問が…
「……残念、友達から」
どうしてみんなそういう話ばかり聞きたがるの?
うんざりだよ。
「美緒、ちょっと手伝って」
嫌そうなのが顔に出てたかな
母が私を呼び出してくれた。
「や~ね、みんなして…気にしちゃダメよ」
うん、ありがとう!
「あ、そうだ!さっき由美から電話があったのよ、お姉ちゃんは帰ってるの?って」
「……//」
何よ由美も千秋も─
そんなに私がどこにいるか気になるの?
私は行方不明って事にでもなってるわけ?
「由美に連絡したの?」
え?母からの意外な言葉
由美とはここ数ヶ月話してないけど
お母さんが連絡したんじゃないの?
「お姉ちゃんはいつまでいるのって、聞かれたんだけど…由美も帰って来るのかしら」
〝布団干さなきゃいけないわね〟
もう母は自分の世界
1人で呟いてる。
由美も帰ってくるの?
暫く会ってないから顔も見たいけど、
でも、由美が来るって事は、また私がみんなから弄られるって事ね。
──妹は結婚するのに、お姉ちゃんは?─って!
そう言われるんだろうな
──//
帰って来たばかりなのに
この日はみんなに付き合わされて質問攻め
ご機嫌な叔父夫婦が帰ったのは夜遅くになってからだった。