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飴色トライアングル【完結】
第18章 始まりの合図…
──
閑静な住宅街が広がるエリア
いつの間にかこんな所まで来ちゃった!
もうそろそろ戻らなきゃな。

あ、でも─
この先の角を曲がればヒデの家があるんだ。
もうちょっとだけ…行ってみようかな。

実家ならヒデにも会わないし…
うん!
通いつめたヒデの家をちょっと眺めるだけ

そう自分に言い聞かせ見える所まで行こうと思った。

ふぅ~!
ここを曲がれば家が見えるはず。
遠くからちょっと眺めるだけね─

あ、見えた!

外観はそのまま
駐車場には車が止まってる。
おじさんの車かな、それともおばさん?

ずいぶん可愛がってもらったヒデの両親。

ご飯をご馳走になって買い物に一緒に行ったこともあったし、実の娘のように可愛がってくれた。

2人とも元気かな?
いつの間にかふらっと家に向かって歩きだしていた…

すると、後ろからバイクの音。
ハッ!
やだ私ったら…
バイクが来なかったら家の前まで行ってたかも

もう私は部外者。
これ以上近寄ってはダメ
なにやってんの!
朝早くに他人の家を眺めてこれじゃストーカーと一緒じゃない。

バカだな
楽しかった思い出は…辛い思い出でもあるのに、きっとヒデの家なんか見ちゃったからだ。

寂しくて泣けてくる。
もう私はここに来てはダメなんだ。

どこを歩いてるかもわからないままトボトボ歩いていた。


あっ!ここ…
軽い気持ちで散歩に出たのに結局こんな事に…

ここは私の運命を変えたあの場所へ続く分岐点
あの日、この道を曲がったからあんなことに─

昔の記憶がフラッシュバックする。

ハァハァ─
ウッ、ウウッ…
苦しくて、辛くて─
震える身体を抱きしめその場に踞った。

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