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飴色トライアングル【完結】
第18章 始まりの合図…

いいよ!…私は行き遅れた娘だからこれくらいはしなきゃね。キッチンへ入るろうとすると…

「あ、お母さん、chouchou(シュシュ)のケーキ買ってきてくれた?」
由美から懐かしいお店の名前が出た。
chouchou(シュシュ)のケーキ?
あるの?

「え?そんな事言われてないわよ?」
「言ったでしょ?─なんだ楽しみにしてたのに」
え、やだ…あるのかと思った。

chouchou(シュシュ)のケーキか…
私も学生の頃に嵌まってよく通ったな─
ヒデと一緒に行ったり

あ、また!
こっちに帰って来てから
ヒデを思い出す事が増えたような気がする。

ま~それは当然かもしれないけど
すべての始まりは…ここだから


「食べたいなら自分で買ってくればいいじゃない」
残念そうに顔をしかめる由美
それに対し母はいたって冷静に返す。

クスッ─確かに
食べたいなら自分で行った方が早いよ?
なのに…由美ったら

「え~もう疲れちゃったし……」

え!、なんで私を見るの?
声には出さないけど…
由美が上目遣いで私にお願いのポーズ。

はぁ~!はいはい。
由美がchouchou(シュシュ)の名前を出すから…私も久しぶりに食べたくなってたとこ

「いいよ私が行ってくる」
「いいの?お姉ちゃん♪」
いいの?って…
お願いしてたくせに

クスッ「じゃ行ってくるね」
ケーキを買いに行くだけなのに、由美が嬉しそうに玄関までついて来た。

「なによ」
「お姉ちゃん、ゆっくりでいいから」
え?
〝急いで帰って来なくてもいいからね〟だって!
う、うん!
思わず頷いたけど……ケーキを買うだけだからゆっくりしようがないんだけど

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