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飴色トライアングル【完結】
第19章 虹色に変わるとき…

─***

マンションに向かうため電車に乗り込んだ。

「美緒貸して」─え、あ、うん!
「……」!?ぁ─凄い!
私の荷物を軽々と持ち上げ棚にキャリーバッグを乗せるヒデ。

その行動があまりにも自然で感動しちゃう。
やっぱり男らしくて優しいねヒデは!

「ん?どした?…鞄から出すものがあった?」
え?─あ、ううん。
感動で私の眼がハート型になってたかな?フフッ
ヒデが顔を傾げて見つめてくる。

別にバッグから出すものがあるわけじゃないの

ただ…
「…こんな重い荷物を軽々持ち上げるからヒデは凄いな~って思って♪」

「え?…クスッ、男ならこれくらい普通だろ?」

そう?
ヒデの笑顔にちょっと恥ずかしくなった。
私、今までそんな事されたことないよ。
っていうか…その前に、男の人と旅行なんて行った事がないからなんだけど─

クスッ─「そっか!こんな事で美緒が感動してくれるなら、もう1回乗せようか?」

そう言って、今乗せたばかりの荷物を下ろそうとヒデが手を伸ばす。
「フフッ…やだ、いいよもう」

「それは良かった!旅行に行くときはやってやるから」え?…フフッ、うん!

私ね、今ヒデとする何気ない事のすべてが新鮮で
感動なの。

だって、私の初めては全部ヒデだもん。
初めて付き合ったのも、キスしたのも
ぜんぶ、全部

悲しい別れもあったけど…
あの時があったからこそ今の私達があるんだよね?

長い長い暗闇からやっと抜け出せて
今こうして一緒にいることが感動なの!


でもこれはヒデには内緒。
それはヒデにしたら重い事なのかもしれないじゃない?…

だからね、私は今、それを味わってるの!

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