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飴色トライアングル【完結】
第20章 番外編
「美緒…どした?」
な、なんでもない…
ただでさえドキドキなのに、こんなに近くにヒデの顔があったら緊張する。
動けばヒデの顔とくっついちゃう。
「…ぁ」
ふと、この前の事を思いだした!
ヒデに再会した夜の公園。
(今日は我慢な!続きは今度たっぷりしてやるから)
「……//」
きっとこのまま…
覚悟を決めて固く眼を閉じた。
なのに─
クスッ…クスクス
え?─笑いを堪える声が聞こえる。
薄目を開けると笑顔のヒデと眼が合った。
クククッ─
あ、もうっ!からかったのね。
「ヒデのバカっ」ククッ
期待して眼を閉じた自分が恥ずかしい。
もう、お願いされたってしないから…
ヒデの身体を押したくり離れようとした。
ギュッ!
なのに力を入れて離してくれないの
「ごめん!美緒が可愛いから…意地悪だったな」
─ごめん!
「知らない…もうやだ、ヒデの意地悪」
「ごめんって!そんな事言わないで、な?…その代わり、これ…」
逃げようとする私を片手で押さえながら私の前に何かを差し出してきた。
え、なに?…ぁ、これ
目の前には──鍵
この部屋の鍵なの?
ヒデに顔を向けると大きく頷いてくれる。
いいの?私が持ってても
「今日からここは美緒の家だろ?」
う、うん!…ありがとう。
そっか、これからはここが私の…ううん
私とヒデの家なんだね。
グイッ──ぇ!?─
─ぁ、こら!
不意をつかれた。
嬉しさを噛みしめてたのに…突然身体を引き寄せられた。
真剣な顔で見つめるヒデにドキドキする。
「……ヒ、デ?」シー
「美緒、黙って」
ゆっくりヒデの顔が近づいてくる。