この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
飴色トライアングル【完結】
第3章 私、邪魔だよね!
今日は頑張ったせいか仕事が思ったよりも捗った。
毎日の残業でお肌の手入れもしてなかったから
さすがに肌も荒れてきた。
千秋からいつ連絡が来てもいいように早く帰って疲れを取ろ!
◇◇◇
こんなに早く帰って来るのは久しぶり
ガチャ─あれ?
玄関の鍵が開いてる。
やだ由美ったら鍵を閉めないで出てったの?
帰ってきたらよく言っとかなきゃ。
「……ぇ」
玄関に入ると、由美のパンプス
その隣に男性用の靴もある─
ドキドキ─
耳を済ますと
妹の部屋から微かに艶のある声が洩れてくる!
その声は、由美なの─
ドクッ、ドクンドクン……
心臓が大きく鼓動する!
足が震えてそこから動けなくなった。
やめてよ!
ここは由美だけの家じゃない
私だって生活してるのに…
ここでそんな事しないで。
いつの間にか、涙が頬を伝って零れ落ちてきた─
やだ、なんで…
ハァハァ
胸を何かで刺されたように苦しくなる…
この場から逃げ出したいのに
上手く呼吸が出来なくてその場に座り込んだ!
ドサッ─
ハァハァ、ハァハァ
いつまでもここにいたら2人に気づかれる。
何とか力を振り絞って立ち上がった。
ガチャ
!?──その時
妹の部屋のドアが開いて…ヒデが出てきた!
「あっ!」
泣き顔の私を見てヒデが固まった!
私がいるとは思ってなかったんだと思う
じっと私を見つめたまま
どうしよう…
涙が滲んで、ヒデの顔が霞んできた。
私、邪魔だよね!
早くここから出てかなきゃ!
「ご、めん、なさい」
バタンッ─
重い脚を引き摺って何とか外に飛び出した。
「……ミオ…」