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飴色トライアングル【完結】
第4章 こんな事…絶対に言えない。
「美緒ごめん…ちょっと待ってて」ピッ。
誰?ヒデは気まずそうな顔してた!
「もしもし、はい─えっと、今日はちょっと」
ん?─誰かに呼び出されたみたい
困った顔してる。
「あ~そうですか、ちょっと待って下さい」
携帯を握りしめ私に向き直る。
どうしたの?
「塾からなんだけど…個別指導の講師が家の事情で今日休まなきゃいけなくなって、俺に入ってくれないかって」
え、バイトなの?
バイト先の塾からだって!
他の先生にも電話したらしいけど
都合がつかないらしくてヒデのところに連絡が─
先生がいなきゃ生徒さん勉強出来ないね。
みんな授業料払ってる訳だし…
「分かった、行っていいよ」
「─ごめんな」
今日は友達の家で勉強するから遅くなるって言ってきたのにな…
残念だけど仕方ない!
私が駄々を捏ねるとヒデが困るから─
──//
「美緒…1人で帰れるか?」
「帰れるに決まってるでしょ」
そんなに心配しなくても大丈夫だよ。
1人でここに来たんだよ、心配し過ぎ─
「ごめんな、いいか危ないから人通りの多い道で帰れよ」
「はいはいわかってます」
「美緒ホントに「分かってるって」
じゃ…行くね!
「美緒」!?─
振り返るとヒデが両手を拡げてる。
うん、フフッ
ギュッ─
「ごめんな…この埋め合わせはするからな」
うん!
「着いたら連絡しろよ」
分かってる。
私の事を心配してあれこれ気に掛けてくれるのが嬉しくて…つい意地悪。
「じゃもし連絡がなかったら、捜しに来てね」
「美緒?」
ヒデが驚いて顔を上げた。
ウフフ、冗談だよ。
大丈夫心配しないで…