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飴色トライアングル【完結】
第4章 こんな事…絶対に言えない。
俯く私の顔を見ようと男達が覗き込んでくる。
「─おっ!めっちゃ、可愛いじゃん」
「うそ、どれ…あ、ホントだ、ラッキー」
どうしよ!怖い
私が通り抜けようとするのに─
遮るように前に出られてどうすることも出来なくなった。
「俺んち、そこだからちょっと寄ってかない?」
「……いぇ、急いでるんで」
「いいじゃん行こうよ」
腕を掴まれ持ってたケーキが道に転がった。
「やだ、やめ…ンンッ」
「ダメだよ大きな声出しちゃ、静かにしようね」
大声を出そうとしたのに手で口を塞がれた。
離して、やだ…怖い!
やだやだ。
─お願い─
誰か…気付いて。
「ンンッ…ンン、ンンッ」
男達に引き摺られながらとうとう私はアパート奥の角部屋に連れ込まれた。
バタンッ…
ドサッ─キャッ!
男達は私を布団に押し倒し口を塞ぐと─
凄みのある声でこう言った。
「大人しくしないと怪我するよ」
「……」
お願いだから、離して…。
こんなの、嫌だよ!
「可愛いとは思ったけど…これはまた─ニヤ」
「ンンッ…ンン」
ヒデ、助けて!ヒデ─
汚くて、暗いアパートの一室
いくら抵抗したって…
高校生の私が男3人の力に敵うわけなくて
ヒデ─
(俺、美緒が高校を卒業するまでは我慢するから)
(ありがとう)
初めてはヒデに──そう思ってたのに
無理やり身体を押さえられ
男達は代わる代わる─
私の身体に被さってきた─
知らない人に──
こんな形で奪われるなんて…
「ヤバッ、初めてだった?」
「……」
ヒデ…ごめんなさい。
辛くて悔しくて涙が止まらない。