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飴色トライアングル【完結】
第5章 優しくなんて…しないで!
「あ、こ、こんばんは」
誰?──私、会ったことないよね?
「先輩、この人私の彼なんです」
「え、そ、そうなの?」
「雅人(まさと)っていいます」
なんだ千秋の彼だったんだ!
話には聞いていたけど初めて会った千秋の彼
ん?─って事は
なんで私を誘ったの?
──//
やられた…まんまと騙された!
今日千秋は彼とデートだったみたい
雅人さんが急な仕事で遅くなるから退屈しのぎで私に声を掛けたって事ね!
なんだ、そっか─
千秋の待ち人が来たなら私はお役御免──
まだ時間は早いけど…もう帰ろ!
「じゃあ私はこれで」
バッグを掴んで立とうとすると…
なんでか雅人さんが慌てだした。
「美緒ちゃん、せっかくだから一緒に飲も」
「そうそう、まだいいじゃないですか先輩」
千秋まで…
でも、私がいたらお邪魔でしょ?
せっかくのデートなのに
「ほら、俺も友達連れて来てるしさ」
え?そういえば
雅人さんの後ろにもう1人
「先輩、紹介します!この人は雅人の友達で大智(だいち)さんです」
「どうも、日向大智です」
「あ、ど、どうも…吉川美緒です」
雅人さんと大智さんは同じ会社の同僚らしい
営業先で今まで商談してたんだって!
千秋が私と一緒にいるからって
雅人さんが大智さんを誘ったって言うんだけど…
そっかじゃ私が帰ったら大智さんが困るかな
「先輩、たまにはいいじゃないですか」
ま~そうだけど─
じゃちょっとだけね!
そんなわけで4人で飲むことになった─
千秋は雅人さんがいるからか…お酒もすすんで上機嫌
大智さんも話しやすい人で次第に打ち解けていった。