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飴色トライアングル【完結】
第5章 優しくなんて…しないで!
この状況
きっとみんなが誤解してる!
「ち、違うの、この人は─妹の彼で、たまたまお店にいて、私がふらふらしてたから…」
「え、─ホントに妹さんの?」
「……」コクン
「進藤と言います、帰り道だから送ってくんで…心配しないで下さい」
「「……?」」
突然表れたヒデにみんなが唖然としてる。
千秋、私なら大丈夫だから心配しないで!
大きく頷いて合図を送った。
ヒデが腕を掴んだまま歩きだすから
私は黙ってついて行くしかなかった。
「……」
聞きたいことはたくさんあるけど言い出せなくて…結局そのまま。
ヒデがさっき言った言葉…
(ったく!危ね~だろ)
私の事を見て心配してくれたってこと?
そう思ってもいいのかな…
やっぱりヒデは優しい!
ふらふら歩く私のテンポに合わせてくれてる。
「いつまでも飲んでないで早く帰れよ…」
「……」コクン
ヒデの優しい言葉が…
今は嬉しかった!
「心配、してくれたの?「由美が…」え?
「由美がいつも心配してる!…いつも遅いし避けられてるんじゃないかって」
「……//」
「由美に心配掛けないでやって」
胸がキュッと痛くなった!
あ~そっか─
心配してたのは私じゃなかった。
「わ、かった─」
分かってるけどやっぱりショックで
バッ!…
掴まれた腕を振り払ってヒデの前に出た!
「!?─なんだよ、急に」
「1人で帰れるから、もういいよ」
もうほっといて!
ヒデに背中を向け歩き出した。
グスッ…
ヒデが私の事なんか心配するわけないのに
どこまで自惚れてんの私は
考えれば分かるのに、私、バカみたい!